トピックス

口腔がんの早期発見法とがん予防について


日程:
平成28年1月27日
講師:
日本大学歯学部口腔外科学講座顎顔面外科学分野
金子 忠良 先生
   

現在日本は、年間に約88万人がいずれかのがんを発症し、37万人ががんで亡くなり、総死亡の約30%を占めています。
がんに罹患する確率は生涯を通じて男性54%、女性41%と推計されていますので、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっていることになります。
国民の8人に1人が75歳以上という世界一の長寿国である日本は、高齢化現象を背景にがん患者が増加傾向を示しています。
先進国ではがん死亡率は減少していますが日本は上昇しています。
口腔がん患者も着実に増加しています、その原因の一つとしては口腔がんに対する関心度の低さが挙げられます。
口腔がんの9割程度は口腔粘膜から発生する扁平上皮がんです。
口腔がん治療は化学療法、放射線療法、手術療法と、これらを併用する集学的治療が基本です。
治療効果は、がんの進展程度に大きく左右されます。
口腔は食物の咀嚼・嚥下ならびに構音機能を司っています。
口腔機能が障害されると、日常生活に大きく支障をきたし、Quality of life にも影響します。
したがって、口腔がんを初期段階で発見することが最も重要です。
早期発見は予後に繫がり、生存率も上昇します。

今回の講演会では、口腔がんの早期発見法とがん予防について勉強して参りました。
日常の臨床の参考となり、患者さんのお役にたてられたらと思います。