第一回学術講習会に出席しました
- 日程:
- 平成28年4月13日(水)
- 演題:
- フッ化物反応をめぐる新しい動向
- 講師:
- 東京歯科大学社会歯科学講座
眞木 吉信先生
予防優先の背景には、日本人の疾病構造と社会環境の目まぐるしい変化の他に、疾病予防を重視する健康観の変遷を受けて、中央集権的で画一性を重んじた疾病管理中心の「公衆衛生」によって「健康を守る」から、地球特性を重視した住民参加型の健康教育や保健指導によって「健康づくり」を推進していこうという「地域保健」への新しい流れが根底にあります。
このようなHealth Promotionに基づく健康に対する考え方は、地域保健のみならず診療所や家庭における疾病予防の拡大にもつながり、その結果、乳幼児期や学齢期においては齲蝕の明かな現象をもたらしました。その要因の第一はフッ化物応用の普及であると思われます。
しかしながら、成人の齲蝕には減少が認められず、歯根面齲蝕の問題はさらに拡大傾向にあります。また、フッ化物(フッ素)に対する誤解は、「フッ素についての10の真実」といった一般市民向けのウエブサイトのプロパガンダのみならず、インプラント分野のような歯科医療の専門家からも生じてきています。
今回はここ5年間で大きく変わったフッ化物の応用法を解説するとともに安全性に対する誤解を解く話でした。