FMえどがわ(ラジオ)で口腔がんについてお話してきました。
- 題目:
- FMえどがわ(ラジオ)で口腔がんについてお話してきました
- 日時:
- 2月7日(火)AM10:00~10:15
江戸川区では口腔がん個別検診が平成27年4月より区の委託事業となりました。
他のがん検診(子宮頸がん・乳がん・胃がん・大腸がん・肺がん・前立腺がん)と並び
区民の健康を願い、無料で行われております。
口腔がんは2年間の実績が認められ、今回のFMえどがわからの放送となりました。
放送を聴いて頂いた方もいらっしゃるかと思います。
今回のお話しの内容をご紹介いたします。
FMえどがわ「僕も私も健康になろう 口腔がん検診の回」進行シナリオ
1 収録日時
平成29年1月20日(金) 午後1時~
2 放送日時
平成29年2月7日(火) 午前10時~午前10時15分
3 シナリオ
番組のレポーターが歯科医師会館にいらして、お話をするという形の番組でした。
(1)
おはようございます!白倉麻子です。
江戸川区の魅力を発信していく「えどがわ大好き!」、火曜日は、「健康」をキーワードに、江戸川区ならではの取り組みをご紹介する「僕も私も健康になろう!」です。
今回は、東小岩にある「江戸川区歯科医師会館」にお邪魔して、江戸川区の「口腔がん検診」について、江戸川区歯科医師会会長の斎藤祐一先生と、口腔がん検討委員会の担当理事の上田雄平先生にお話しを伺います。
先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは、江戸川区歯科医師会会長の斎藤祐一です。
どうぞよろしくお願い致します。
こんにちは、口腔がん検討委員会の上田と申します。よろしくお願いします。
(2)歯科医師会の紹介
(白倉アナ)私、こちらの会館には初めてお邪魔したのですが、斎藤会長、歯科医師会というのはどういう団体であられるのですか。
(斎藤会長)そうですね、昭和8年に発足し、非常に長い歴史があります。簡単にご説明いたしますと、現在250名の会員がおります。
会員は、各歯科医院で、もちろん普段は歯科診療を行っておりますが、その他に区民の健康管理の為に色々な事業をしております。
例えば、口腔がん個別検診、はじめ乳幼児歯科健診、成人歯科健診、妊婦歯科健診、また、休日歯科応急診療、在宅訪問歯科診療、障がい者歯科治療等、多くの公益事業を行っております。これらは江戸川区多田区長の多大なる御理解と御協力の元、区との協力事業として継続的に実施されております。
(白倉アナ)ありがとうございます。本当にいろいろなことをされているのですね。ところで上田先生、この会館に、休日応急診療所という看板がでているのですが、こちらでも歯を見てもらえるのですか。
(上田理事)よく気づいていただきありがとうございます。江戸川区歯科医師会では、日曜日や祝祭日に歯の痛みなどでお困りの区民の方のために、当会館で会員の輪番による応急の歯科診療を行なっているのです。
(白倉アナ)そうなんですね。急に歯が痛くなっても安心ですね。
(齋藤会長)
はい、歯の痛いのは耐え難い事ですね。大晦日、お正月を含む年末年始の七日間、五月の連休でも診療していますよ。
ケガをしたり、冠が外れてしまったり、入れ歯が壊れてしまったり・・色々と対応します。ご安心ください。
(3)口腔がん検診についての質疑 ※会館内に移動したとういう想定です。
(白倉アナ)それでは、あたらめて、口腔がん検診についてお伺いしてまいります。
実は私、口腔がんって、今日初めて聞いたのですね。聞きなれない言葉ですが、斎藤会長、お口の中にも、がんができるのですか。
(齋藤会長)はい、実は口の中にもがんができるのですよ。
「胃がん」や「乳がん」は誰でも知っていると思うのですが、口腔という言葉がちょっとわかりづらいですね。口の中全体をいい、そこに出来るがんの事を言います。
歯以外の全ての粘膜と骨に出来るのですが、ほとんどは、口の中の粘膜に出来ます。
そして、がんが出来た場所によって、舌がん、歯肉がん、口底がんなどと呼ばれてい(口の中の粘膜は絶えず刺激を受けています。
ウィルスや飲食物に含まれる発がん性物質の作用を真っ先に受ける場所であり、これらの影響が蓄積されて『がん』が発生すると考えられています。)
(白倉アナ)その中で、代表的な口腔がんはどこのがんなのでしょう。
(齋藤会長)舌がんです。「べろ」にできるがんです。舌がんは、最も発生頻度が高く、口腔がんの約半分を占めています。舌がんは舌の脇に出来る事が多いです。ほかには歯肉がん、これは歯周病と間違うこともあります。あと、口底がんといって舌の下に隠れて見づらく発見が遅くなりやすいがんもあります。
(白倉アナ)口腔がん、増えているのですか。
(齋藤会長)はい、最近増加しています。そしてなんと、先進国で日本だけが増え続けております。罹患率は1990年の約2倍です。以前は約50歳以上の男性に多くみられましたが、最近は若年化しており女性も増えております。
(白倉アナ)お話を聞いているとなんだか心配になってしまうのですが、歯科の先生方が検診を行うのですか。
(齋藤会長)勿論です。私たち江戸川区歯科医師会の会員で特別に5年間研修をし続けている江戸川区歯科医師会「口腔がん検診認定医」約140名が各歯科医院で行います。
検診は時間も短く楽です。痛くないので安心して来院してください。
(白倉アナ)そうだったんですね。それでは上田先生、実際にはどのような検査を行っているのですか。
(上田理事)第一に、早期発見システムでは、患者さんに様子を聴く、状態を診る、触って診る、つまり、問診、視診、触診、を行います。そこで判断や診断が難しい症例の場合は、ナビシステムというものを利用いたします。東京歯科大学の口腔外科に患者さんの所見と口腔内写真をインターネットを介して送ります。そうすると、コメントが6時間以内24時間体制で返信されてきます。例を挙げると、「そのまま経過観察してください」、「口腔がんの疑いがある為、ただちに基幹病院に照会が必要です」などです。
異常が認められた時は、細胞診を行います。
歯間ブラシ等で細胞採取し、細胞診検査を細胞診専門医に依頼します。
また、明らかにがんの疑いがあるときは、検査を行わず高次医療機関へ送る場合もあります。
(白倉アナ)検診の結果はいつ頃わかるのでしょうか。
(上田理事)異常がなければ検診後すぐに分かります。細胞の検査を行った場合でも依頼してから約一週間です。
(白倉アナ)簡単に結果まで分かってとてもいいですね。ところで齋藤会長、この「口腔がん検診」どのくらいの方がうけておられるのでしょうか。
(齋藤会長)はい、個別検診に於きましては平成27年度は2129名、平成28年度は11月までで1062名の方が受診されています。また江戸川区歯科医師会の自主事業でおこなっている集団検診は4年前から現在まで9回行われており、1131人受診いたしました。
どちらの検診でも3名ずつ、計6名の方の口腔がんが発見されています。
(白倉アナ)口腔がんは治るのですか。
(齋藤会長)はい、初期であれば治ります。初期であれば約93%、手術部位も小さく2週間のくらい入院で済みます。他のがん(肺、大腸など)と一緒で進行すると命に関わる病気です。また場所が顔ですので、食べる、しゃべる、顔貌、審美性が失われる場合があります。五年生存率50.9%で、胃、肺など色々なところに、がんは出来ますが、全がん28部位の内20番目に低い治療成績となっています。
(白倉アナ)早期発見のために何かチェック方法はあるのでしょうか。
(齋藤会長)自分で見る事が出来る場所なので日頃から、口の中、粘膜、特に舌の横、裏を見ることですね。また、ここに「口腔がん早期発見チェックシート」というものがあります。読んでみましょう。
・1日にタバコを40本以上吸う
・毎日、日本酒3合以上に相当するお酒を飲む
・口内炎が2週間以上治らない
・抜歯した傷が治らない
・噛んだ傷が治らない
・入れ歯が当たって出来た傷が治らない
・最近、歯が浮くような感じがする
・白っぽいできものがある・赤くただれている
・かたいシコリをふれる・舌が動かなくなった
・口が開きにくくなった
・下唇や舌がしびれる
いずれかの項目に当てはまる場合は、口腔がん検診を是非受けてください。
(白倉アナ)いまタバコやお酒という項目がありましたが、上田先生、タバコやお酒、口腔がんにも影響があるのですか。
(上田理事)アメリカ疾病予防管理センターの調査によって喫煙は肺がんをはじめ食道がん・胃がん・膀胱がん・白血病などを多くのがんの発生に関与していることが科学的に証明されています。タバコの煙に含まれるベンツピレンなどの発がん性物質は直接口の粘膜を刺激するため、特に口腔がんの発生に喫煙は大きく関与しています。飲酒も同様ですが、アルコールが分解されたときに出来るアセトアルデヒドという成分が発がんに関与すると言われています。口腔の粘膜はタバコやお酒の刺激に直接さらされるので発がんのリスクが高まる場所です。
(白倉アナ)ありがとうございます。本日は知らなかったことばかりで、大変ためになりました。私も機会があれば口腔がん検診受けてみたいです。それでは斎藤会長、最後にリスナーの皆様に一言お願いします。
(齋藤会長)口腔がんは、歯以外のすべての口の中に出来ます。進行した口腔がんにならないように歯だけでなく口腔粘膜も診てもらい、早期発見に努めてください。
そしていつまでも健康な歯、口腔で、よく食べ、よく笑い、よく話し楽しく長生きしましょう。
大切な家族の為にもがん検診を受けて下さい。
江戸川区歯科医師会は、皆様の健康に貢献します。どうぞよろしくお願い致します。
2013年9月13日 第23回日本口腔内科学会で発表
2013年11月17日 第31回江戸川医学会で発表
2016年1月21日、22日 第34回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会 シンポジウム1で「江戸川区歯科医師会口腔がん検診への歩み」を発表
2016年12月15日 日本口腔腫瘍学会誌 第28巻 第4号 シンポジウム1「口腔がん検診」を発表
(4)口腔がん検診、申込方法の紹介
(白倉アナ)ここで、江戸川区口腔がん検診の申込方法についてご案内します。申込は、お電話で、江戸川区役所健康推進課がん予防・事業係にお申込みください。午前8時30分から午後5時までが受付時間となります。お申込みの電話番号
は、03-5661-2463、03-5661-2463となります。
申込み後、区役所から受診券が送られますので、歯医者さんにご予約の上、受診してください。受診できる歯医者の一覧が同封されておりますので、ご覧になってください。
検診の料金は無料です。
江戸川区のHPでもご案内しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
更に詳しく口腔がんについて知りたい方は『口腔がん撲滅委員会』HPへ、アクセスも可能です。
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(白倉アナ)さて、「僕も私も健康になろう!」、今回は、江戸川区歯科医師会館から齋藤祐一先生、上田雄平先生とご一緒にお送りしました。先生方、本日はありがとうございました。
(両先生)ありがとうございました。