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増え続ける口腔がんを再考する

演題:
増え続ける口腔がんを再考する
日時:
平成30年3月16日(金)
演者:
東京都歯科大学口腔顎顔面外科学講座
  柴原 孝彦 先生


口腔がんの第一発見者は歯科医師です。
口腔がんの診療担当科が歯科口腔外科のみでなく耳鼻科、頭頚科であろうとも、第一発見の場が一般開業の歯科医院であることに異論はありません。 ただ現実は、口腔がんの認知度が低いため国民は気付かず、一般歯科医師も遭遇する機会が少ないと楽観視しているため、罹患者数と死亡率の増加に歯止めがかかっていないのが実情です。
今、日本では約10万人の歯科医師と約7万の歯科診療所があり、7割以上が一般開業勤務医であることから、彼らが国民の口と健康を担っていると言っても決して過言ではありません。 忍び寄る「口腔がんの増加」を掌握し、「口腔がん」を疑う目を持つことが求められています。
江戸川区歯科医師会は、2011年に検討委員会を発足させ講習会・研究会を経て、よく2012年から集団検診(バデイー方式)を始めました。 そして現在まで約900名の検診者から4名の口腔がんを発見しています。 口腔がん対策への情熱は止まず、認定協力医制度の確立、区医師会と行政との連携も深め2015年からは個別検診を区の委託事業として承認され実施しています。 そして、2015、2016年の2年間だけでも約3500名の患者を検診し8名の口腔がんを発見しました。 都内に約60ある歯会の中でも、いや、全国レベルにおいても、これほどの短期間でシステム構築を成し遂げ実績を挙げた歯会はありません。
今回は区民への啓発と歯科医師の責務と意識改革を目指した、口腔がんを再考する講演会を聴いて参りました。